CB1100 5回目の車検前整備|フロントブレーキキャリパーをオーバーホール
2015年式のCB1100に乗り始めて、気がつけば車歴も10年を超えました。
これまで大きなトラブルもなく走ってきたCB1100ですが、今回は5回目の車検を迎えることになり、車検に向けて少し気になる部分を中心に整備することにしました。
今回の整備で特に重点を置いたのが、フロントブレーキのオーバーホールです。
そのきっかけになったのは、最近になって走行中にブレーキの引きずりを感じるようになったことでした。
ブレーキを離しているはずなのに、どこかブレーキが残っているような感覚。
以前と比べて、少し違和感を覚えるようになっていました。
そして、もう一つの理由が、CB1100の車歴が10年を超えたことです。
10年以上走ってきた車両なら、外観上は問題がなくても、ブレーキキャリパー内部のシールやピストン周辺には、それなりの汚れや経年による変化があるはずです。
「車検に通ればそれでいい」という整備ではなく、これからもCB1100に安心して乗り続けるために、一度ブレーキをしっかりリフレッシュしておこう。
そう考え、今回は左右のフロントブレーキキャリパーをオーバーホールすることにしました。
- 2015年式CB1100・ABS車のフロントブレーキ
- フロントブレーキキャリパーを取り外す
- キャリパーを分解して内部を確認
- キャリパーのシールを取り外す
- キャリパー内部を丁寧に洗浄
- 取り外したシールを確認
- 洗浄後はエアブローで乾燥
- NISSIN製リペアパーツのシールセットを使用
- 新しいシールを組み込む
2015年式CB1100・ABS車のフロントブレーキ
私のCB1100は、2015年式のABS搭載車です。
フロントブレーキはダブルディスク仕様で、左右にNISSIN製のブレーキキャリパーが装着されています。

オーバーホール前のフロントブレーキキャリパー
外観から見る限り、大きな異常があるようには見えません。
しかし、今回気になっていたのは、外からは分からないキャリパー内部の状態です。
最近感じるようになったブレーキの引きずりが、キャリパーピストンやシール類の状態と関係している可能性もあります。
そこで今回は、左右のキャリパーを車体から取り外し、内部まで分解して確認することにしました。
フロントブレーキキャリパーを取り外す
まずはフロントブレーキキャリパーを取り外していきます。

キャリパーを外す前にブレーキホースのバンジョーボルト、パッドピン、キャリパーの左右のボディをつなぐボルトを車体についた状態で、軽く緩めておきます

今回は左右両方のキャリパーをオーバーホールするため、片側だけではなく、左右とも同じように分解・清掃・部品交換を行います。
キャリパーに取り付けられている、ブレーキホースのバンジョーボルトを外す前に、ブレーキフルードが漏れないように、ホースをバイスプライヤーで挟んでおきました。

車体から取り外したフロントブレーキキャリパー
キャリパーを取り外したら、ブレーキパッドの状態も確認しておきます。
ブレーキパッドは残量が十分に残っていたため、今回は交換せず再使用することにしました。
キャリパーを分解して内部を確認
キャリパーを分解し、ピストンを取り外して内部の状態を確認していきます。

エアーを使ってピストンを押し出しました。
キャリパーの左右のボディを接続してるボルトを外し分解します。

1つのキャリパーに4個あるブレーキピストン
CB1100のフロントキャリパーは、1つのキャリパーにつき4個のピストンが使われています。
左右2つのキャリパーを合わせると、合計8個のピストンです。
かあなり汚れているので、しばらく中性洗剤を入れた水道水に浸しておきました。

取り外したピストンを確認してみます。
ピストンには長年の使用による汚れが付着していましたが、確認したところ、ピストンそのものは比較的きれいな状態でした。
傷や大きな腐食なども見られなかったため、今回はピストンを新品に交換せず、清掃・点検して再使用することにしました。
キャリパーのシールを取り外す
次に、ピストンシールとダストシールを取り外します。
ここで少し気を付けたのが、シールを取り外すための工具です。
金属製のピックなどを使えば簡単にシールを引っ掛けられますが、先端が鋭利なため、作業中にキャリパー本体やシールが収まる溝を傷つけてしまう可能性があります。
そこで今回は、金属製の工具ではなく、竹串を使ってシールを取り外しました。

キャリパーのシールを慎重に取り外します
竹串の先端をシールの端に差し込み、少しずつシールを浮かせながら取り外していきます。
キャリパー本体やシール溝を傷つけないことを優先して、慎重に作業しました。
古いシールは新品に交換するので再使用することはありませんが、キャリパー本体に傷を付けてしまっては意味がありません。
そのため、今回はできるだけ安全に作業できるよう、竹串を使ってシールを取り外しました。
※竹串を使用する場合も、折れたり先端が残ったりしないよう、無理な力を掛けず慎重に作業する必要があります。
キャリパー内部を丁寧に洗浄
古いシールを取り外したら、キャリパー本体を洗浄していきます。
今回のキャリパー洗浄には、中性洗剤のマジックリンを使用して水洗いしました。
キャリパー本体を洗剤と水で洗浄し、長年の使用で付着した汚れを落としていきます。

こちらはリアブレーキキャリパーでの写真になりますが、
こんな感じで中性洗剤のマジックリンを使用してキャリパーを洗浄
シールが収まる部分なども、汚れを残さないように丁寧に清掃します。

シールが収まる溝もしっかり清掃
今回の作業では、キャリパー内部だけでなく、シールが収まる溝もきれいにしておきました。
この部分に汚れが残ったままだと、せっかく新品のシールに交換しても、ピストンのスムーズな動きを妨げる可能性があります。
10年以上使用してきたキャリパーなので、普段は手が届かない部分まで、この機会にしっかり洗浄します。
取り外したシールを確認
10年以上使用してきたキャリパーなので、シール周辺にも長年の使用による汚れが付着しています。
今回はこのシール類を新品に交換します。

洗浄後はエアブローで乾燥
水洗いが終わったら、そのまま組み付けるのではなく、エアブローで水分を飛ばして乾燥させます。

細かな部分に水分が残っていると組み付け作業の邪魔になるため、エアブローでしっかり水分を除去しました。
キャリパーの洗浄から乾燥までを終え、ようやく新品のシールを組み込む準備が整いました。
NISSIN製リペアパーツのシールセットを使用
今回のオーバーホールでは、ホンダ純正品ではなく、ブレーキキャリパーのメーカーであるNISSIN(ニッシン)製のリペアパーツ「シールセット」を使用しました。
使用したシールセットは、
- NISSIN 2A2-008
- NISSIN 2A2-010
です。
CB1100のフロントキャリパーは1つにつき4個のピストンを使用しているため、左右2つのキャリパーをオーバーホールするため、それぞれ必要な数量を用意しました。

今回使用したNISSIN製リペアパーツのシールセット
今回交換したのは、
- ダストシール
- ピストンシール
です。
一方、ピストンは状態が良かったため、清掃・点検して再使用しました。
ブレーキパッドも残量が十分だったため、こちらも再使用しています。
新しいシールを組み込む

キャリパー内部の洗浄と乾燥が終わったら、新しいシールを組み込んでいきます。

新品のシールをキャリパーに組み込みます
ここではシールを傷つけないよう注意しながら、所定の位置へ組み付けていきます。
今回、シールやピストンなどの組み付けには、トヨタ純正ラバーグリスを使用しました。
使用したのは、
トヨタ純正ラバーグリス
品番:08887-01206
シール類を組み付ける際には、部品を傷めないよう注意しながら作業を進めます。
ピストンを組み付ける
シールを組み込んだら、清掃したピストンを組み付けます。
清掃したブレーキピストンを組み付けます

取り外したピストンは状態が良かったため、新品には交換せず再使用しました。
10年以上使用してきた部品でも、実際に分解して状態を確認すると、まだ十分使用できるものもあります。
今回はピストンの状態を確認したうえで、清掃して再使用することにしました。
ブレーキパッドも再使用
ブレーキパッドについても確認したところ、残量が十分に残っていました。

残量が十分だったため再使用するブレーキパッド
そのため、今回はブレーキパッドも交換せず再使用します。
今回の整備では、10年経過したからといって、すべての部品を無条件に新品へ交換するのではなく、分解して状態を確認したうえで、交換する部品と再使用する部品を判断しました。
キャリパーを組み立てる
ピストン、シール類などを組み付け、左右のキャリパーを組み立てていきます。

オーバーホールが完了したフロントブレーキキャリパー
これで左右のフロントブレーキキャリパーのオーバーホールは完了です。
外観だけを見ると大きな変化はありませんが、内部は10年以上の使用を経て、シール類を新品に交換し、きれいにリフレッシュされました。
ブレーキホースのワッシャも交換
今回はキャリパーのオーバーホールだけでなく、ブレーキホースとキャリパーの接続部分に使用されているバンジョーボルトのワッシャも新品に交換しました。
使用したのは、ACTIVE製のクラッシュワッシャーです。
| メーカー | 品番 | 仕様 |
|---|---|---|
| ACTIVE | 20999010 | 内径10mm |
ブレーキホースを取り外したため、接続部のワッシャも新品に交換しておきます。
こうした小さな部品も、ブレーキ周りの整備では大切な部分です。
ブレーキフルードも同時に交換
キャリパーのオーバーホールに合わせて、今回はブレーキフルードも交換しました。
キャリパーをリフレッシュするのであれば、ブレーキフルードもこのタイミングで交換しておきたいと考えました。
そして、ブレーキフルードの交換で特に注意したのが、マスターシリンダーへのフルード補充です。
ブレーキフルードで塗装を傷めないように注意

タンク周辺を養生してブレーキフルードを補充しながらエア抜き。
ブレーキフルードは、塗装面に付着すると塗装を傷める可能性があります。
CB1100はマスターシリンダーが燃料タンクの近くにあるため、フルードを補充するときには、こぼして塗装を傷めないように十分注意しました。
作業前にタンク周辺をしっかり養生し、万が一フルードがこぼれても直接塗装面に付着しないようにしてから作業を行います。
ブレーキフルードの交換そのものも大切ですが、「こぼさないための準備」も非常に重要だと感じました。
フロントブレーキのオーバーホール完了
これで、2015年式CB1100のフロントブレーキキャリパー左右のオーバーホールが完了しました。
今回交換した部品をまとめると、以下のとおりです。
| 交換部品 | メーカー・品番 |
|---|---|
| ピストンシール・ダストシール | NISSIN 2A2-008 |
| ピストンシール・ダストシール | NISSIN 2A2-010 |
| ブレーキホース用クラッシュワッシャー | ACTIVE 20999010 |
| ブレーキフルード | 交換 |
一方、以下の部品は状態を確認したうえで再使用しました。
- ブレーキピストン
- ブレーキパッド
ピストンはきれいな状態だったため再使用。
ブレーキパッドも残量が十分だったため再使用しています。
気になっていたブレーキの引きずりは解消
そして、一番気になっていたのが、今回オーバーホールを行うきっかけになったブレーキの引きずりです。
組み立て後にブレーキの作動を確認すると、これまで感じていた引きずりは解消されました。
キャリパーを分解して内部を洗浄し、ダストシールとピストンシールを新品に交換。
ピストンについては状態が良かったため再使用しましたが、オーバーホール後には気になっていた引きずりがなくなりました。
10年以上使用してきたCB1100のブレーキを、今回の車検を機会にしっかりリフレッシュすることができました。
5回目の車検を前にフロントブレーキをリフレッシュ
今回のフロントブレーキキャリパーのオーバーホールは、
「最近感じるようになったブレーキの引きずり」
そして、
「CB1100の車歴が10年を超えたので、一度リフレッシュしておきたい」
という2つの理由から行いました。
左右のキャリパーを分解して洗浄し、ダストシールとピストンシールを新品に交換。
ピストンとブレーキパッドは状態が良かったため再使用しました。
さらに、ブレーキホースのクラッシュワッシャーとブレーキフルードも交換。
オーバーホール後には、気になっていたブレーキの引きずりも解消されました。
5回目の車検を迎えるCB1100ですが、10年を超えてもまだまだ一緒に走りたいと思っています。
今回の整備でフロントブレーキをリフレッシュできたことで、これからも安心してツーリングに出掛けられそうです。
次はリアブレーキのオーバーホール
今回の5回目の車検前整備では、フロントブレーキだけでなく、リアブレーキもオーバーホールしました。
ただ、前後のブレーキを一つの記事にまとめるとかなり長くなるため、リアブレーキについては別記事として詳しく紹介することにしました。
フロントブレーキとはまた違った作業内容もありますので、次回はリアブレーキキャリパーのオーバーホールについて紹介します。
まとめ
今回は、5回目の車検を迎える2015年式CB1100のフロントブレーキキャリパーをオーバーホールしました。
10年以上使用してきたCB1100ですが、分解してみると、ピストンやブレーキパッドはまだ再使用できる状態でした。
そこで、
- ダストシールを交換
- ピストンシールを交換
- ピストンは清掃して再使用
- ブレーキパッドは再使用
- キャリパーを中性洗剤で水洗い
- 洗浄後はエアブローで乾燥
- 組み付けにはトヨタ純正ラバーグリスを使用
- ブレーキホースのクラッシュワッシャーを交換
- ブレーキフルードを交換
という整備を行いました。
そして何より、今回オーバーホールするきっかけとなったブレーキの引きずりが解消されたことは、大きな収穫でした。
10年を超えたCB1100だからこそ、これからも長く付き合っていくためには、こうしたリフレッシュ整備が大切だと感じています。
5回目の車検に向けた整備は、まだ続きます。
次回は、リアブレーキキャリパーのオーバーホールです。
※整備についての注意
ブレーキは安全に直結する重要な部分です。
この記事は、実際に行った整備作業を記録したものです。
実際に作業する場合は、車両のサービスマニュアルやメーカーの整備情報を確認し、作業に不安がある場合は専門知識を持った整備士へ依頼することをおすすめします。
また、ブレーキフルードは塗装面を傷める可能性があるため、作業時は車体を十分に養生し、付着した場合は適切に処理してください。


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