秋風が心地よくなってきたある休日。自宅から15分ほどの場所に広がるコスモス畑へ、愛車CB1100で出かけました。
朝晩の気温も下がり、バイクで走るには最高の季節。空は高く澄み、走るたびに風の中に秋の香りを感じます。
今回はツーリングというよりも、撮影を目的にしたちょっとした“地元フォトライド”。
手にしたカメラに装着したのは、 Tamron 35-150mm F/2-2.8 Di III VXD。
前回の彼岸花撮影の時に使ったレンズなのですが、いわゆる“ポートレートズーム”と呼ばれるこのレンズが、コスモスとバイクの組み合わせにどんな描写を見せてくれるのか、確かめてみたかったのです。

つい先日、このレンズで本来の使用目的のポートレート撮影に使いましたが、やわらかい描写でとてもいい雰囲気の写真が撮れました。
短い距離でも「旅」になる瞬間
コスモス畑までは自宅からわずか15分。
それでも、エンジンをかけた瞬間から小さな旅が始まるような気持ちになります。
国道を抜け、住宅街を過ぎると、やがて田園風景の向こうにピンクや白の花がゆらめいているのが見えてきました。

秋の柔らかな日差しが花びらを透かし、その脇をゆっくりと走るCB1100。
季節とともに移り変わる地元の景色の中で、何度見ても心が和む瞬間です。
ポートレートズームで描く、バイクと秋の彩り
現地に着いてからは、ゆっくりとレンズを試しながら撮影を開始。
バイク撮影でこのレンズを使うのは二回目。
Tamron 35-150mm F/2-2.8 Di III VXD は、35mmの広角寄りで風景全体を、150mmの望遠側でディテールを切り取るという使い分けができる万能レンズです。
コスモスに囲まれたCB1100を35mmで捉えると、風景の中に自然に溶け込んだ一枚に。
逆に150mm側では、花の前ボケを大きく活かしながら、タンクの赤やクロームの輝きを際立たせるような構図が生まれます。
まさにポートレートレンズと呼ばれる所以を感じる瞬間でした。

開放F2の描写は想像以上に柔らかく、背景のボケも自然。
被写体であるCB1100をしっかりと浮かび上がらせながら、秋の空気感まで写し取ってくれます。
シャッターを切るたびに「このレンズで撮って良かった」と思えるほど、撮影が楽しく感じられました。
実際に使って感じたTamron 35-150mm F/2-2.8の魅力
ウェブ上のレビューでは「ズーム全域での解像力の高さ」「AFの速さ」「美しいボケ味」などが評価されています。
実際に使ってみても、その言葉どおり。ピントの合焦スピードは驚くほど速く、バイク撮影のように金属の反射や細かいラインが多い被写体でも迷いがありません。

また、150mmまで伸びるズームレンジのおかげで、立ち位置を変えずに構図を自在に調整できます。
撮影場所が限られる状況でも「もう少し引きたい」「もう少し寄りたい」といった感覚に瞬時に応えてくれるレンズです。

唯一感じたのは、その重量感。
約1.1kgのレンズは、ツーリングバッグに入れて運ぶには少し重さを感じます。
しかし、1本で広角から中望遠までカバーできる汎用性を考えると、その負担も十分に納得できる範囲でした。

防塵・防滴構造もしっかりしており、屋外撮影でも安心。
少し風の強い日でしたが、レンズ表面のコーティングのおかげでフレアやゴーストもほとんど気になりませんでした。
まさに「風景もポートレートもこの1本で完結する」と言っても過言ではない万能レンズです。
バイクとレンズが教えてくれる、日常の豊かさ
撮影を終え、ヘルメットを被って再びエンジンをかけると、いつもの帰り道が少し違って見えました。
近所の風景でも、光や風の中に新しい発見がある。
レンズを通して見る世界は、同じ場所でもまるで初めて訪れたかのような新鮮さがあります。
CB1100とタムロンの35-150mm。
この組み合わせは、ただの“バイク+カメラ”ではなく、自分の中の感性を刺激してくれる最高の相棒です。

これからもこの1本で、季節ごとの風景とバイクの表情を撮り続けていこうと思います。
おわりに
自宅から15分の距離でも、そこには確かに“旅”がありました。
風を切りながら走る時間、そしてファインダー越しに見るコスモスと愛車。
短い時間でも、心に残るひとときが生まれるのが、バイクとカメラの魅力だと思います。
今回使ったタムロンの35-150mm F/2-2.8は、まさに「旅するフォトグラファー」のための1本。
これから紅葉シーズンに向けて、また新しい景色をこのレンズとCB1100で切り取りに行きたいと思います。


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